フルタイムライフ 著者 柴崎友香

サマソニが終わって、その日は心斎橋に一泊して、とても久しぶりに近辺をぶらぶらしてみた。大阪はだいたい一年に2回くらいは来ている気がするが、用件を済ませたらすぐ帰る場合が多く、街をぶらつくのは本当に久々。就職活動中、大阪にはセミナーや面接にくることが何回かあって、その時によく歩いたので、個人的には心斎橋近辺を歩くとその当時のことを思い出す。
そんな訳で、名古屋に帰ってきてこの本が読みたくなって購入。雑誌の書評や知人のブログを見て読みたいなとは思っていたけど、今日は特にそんな気分です。
この物語は芸大を卒業したばかりの女の子が食品の包装機材メーカーのごく普通のOL一年目の会社での日常をおった話です。柴崎友香の本はデビュー作の「きょうのできごと」を読んだことがあるけれど、関西の大学生達の一日を淡々と書いていて、京都近辺の描写がとてもよくわかるなあ、と思った印象があります。
京都南インターと出町柳の描写なんか特にすごくビジュアルが浮かぶ。
「フルタイムライフ」も自分の仕事と彼女の働いている会社の内容が微妙にかぶるので、例えば東京ビックサイトの展示会の話はとてもリアルにわかります。へんな制服は着ていないけど。
主人公と会社の先輩の会話の内容も聞いたことある感じだなあと共感をもっていたり。淡々とした日常を丁寧に描写していて、良い意味でイマドキな感じの小説です。

フルタイムライフ

フルタイムライフ