ガール 奥田英朗著

わたしの課の課長が、30からいくばくか年を経た女性の先輩のことを「ビミョーな年頃」と言っていたが、かなり正確な表現だと思う。そんな、「ビミョー」な年頃の女性を主人公にした短編集。そして、主人公は皆東京在中の大手企業のキャリアウーマン。皆それぞれ自分の中の「ビミョー」さを悩んだり、いらいらしながら暮らしている。1つめの話では女性初の課長になった女性の話であったり、他の話ではガールの特権を失いつつあることに気づき始めて、自分の立ち位置振り返る広告代理店のキャリアウーマンだったり、みんなそれぞれビミョーである。でも最終的にそれぞれ納得して、普通に暮らしているのでほほえましいお話です。たいてい男性の描く女性はおもしろくないのですが、これは結構おもしろくかけているのではと思います。ちょっと強引なところもあるけどね。まあエンタメだしいいか。

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